末梢血循環腫瘍細胞 Circulating Tumor Cells (CTCs) の検出とソーティング

【概要】検体末梢血4mLの血球除去前処理を実施後、一般的なCTCマーカー(サイトケラチン(CK)-FITC、EpCAM(CD326)-PE)および白血球マーカー(CD45-Alexa700)で染色後、On-chip Sortを用いてがん細胞(Circulating Tumor Cells (CTCs))の検出と、ソーティングを実施した。その結果、EpCAMの発現量に依存しないCTCsの検出が可能であり、かつ末梢血中のさまざまなCTCsの存在が明確になった。

【背景】近年、採血による適切な治療法の選択と治療効果のモニタリングマーカーの1つとして、血中循環腫瘍細胞(CTCs, Circulating Tumor Cells)による診断技術が注目されています。

On-chip sortは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)における「がん超早期診断・治療機器の総合研究開発」に参画し、
EpCAM(CD326)の発現量に依存しないCTCの検出技術開発および末梢血中の希少CTCのソーティングの実現を達成致しました。

チップ交換型の完全閉鎖系のソーティングの実現により、生体サンプル間のクロスコンタミネーションがなく個々人のCTCsを確実に評価出来、測定後のチップは他の医療用廃棄物と同様に処理が可能です。

【目的】
近年、採血による適切な治療法の選択と治療効果のモニタリングマーカーの1つとして、血中循環腫瘍細胞(CTCs, Circulating Tumor Cells)による診断技術が注目されている。
On-chip Sortを用いてEpCAM(CD326)の発現量に依存しない末梢血中の希少CTCのソーティングを、健常人末梢血を用いた培養がん細胞の添加ブラインドテストを用い、安定的な診断およびモニタリングへの応用可能性を検討した。

【方法(1);2施設間によるブラインド試験】
末梢血4mLにさまざまながん腫のCell lineを0細胞、10細胞、100細胞、500細胞、1000細胞をスパイクし、2施設間でそれぞれの施設で血球除去処理後、一般的なCTCマーカー(サイトケラチン(CK)-FITC、EpCAM(CD326)-PE)および白血球マーカー(CD45-Alexa700)で染色後On-chip Sortを用いて検出し比較した。

CTC(Circulating Tumor Cell):Cytokeratin & Vimentin positive, CD45 Negative 2

図1.CTCs検出ゲート例。血球除去処理後、一般的なCTCマーカー(サイトケラチン(CK)-FITC、EpCAM(CD326)-PE)および白血球マーカー(CD45-Alexa700)で染色後On-chip Sortを用いて検出

Circulating Tumor Cell Cell Line kato3 A549 PC-14  mcf-7

図2. 2施設間によるCTCs想定がん細胞スパイクテストの結果。施設間で差異無く検出出来る事が明らかとなった。

【試験方法(2);肺がん患者末梢血のCTCの検出とソーティング】
肺がん患者検体(末梢血4mL)から赤血球を溶血させた後、CD45抗体ビーズを用いて血液細胞を除去し、サイトケラチン陽性、かつCD45陰性の細胞分画をソートした。

【結果(2); 肺がん患者末梢血のCTCの検出とソーティング】
肺がん患者ではEpCAMの発現率が低い事が明らかとなった。その結果、Cellsearchシステムに比較してOn-chip SortでCTCの陽性率が高いことが示唆された。がん患者の末梢血から得られたCD45陰性、サイトケラチン陽性分画の細胞を検出しソーティングを実施した(図3)。

Fluorescence micrograph of captured Circulating Tumor Cell Cytokeratin Vimentin

図3:血液中の循環腫瘍細胞(CTC)抗Cytokeratinや抗Vimentin抗体をもちいて標識し、
検出、およびソーティングを実施しソーティング後の細胞を顕微鏡で観察した。