On-chip Sortでソートした抜去歯幹細胞の特性評価

【概要】 抜去歯由来の4種類および腸骨骨髄由来のヒト間葉系幹細胞を用いたイン・ビボ解析において、移植後に形成された硬組織からダメージフリーを特徴とする弊社のセルソーター”On-chip Sort”で選択的に分取されたヒト細胞には、幹細胞特性を有する細胞が存在することが明らかとなった。

【目的】  抜去歯に由来する歯髄(DPSC)、歯根膜(PDLSC)、歯小嚢(DFSC)、歯乳頭(APSC)の4種類の間葉系幹細胞は、腸骨由来の骨髄幹細胞(BMSC)よりもきわめて高い増殖能を有し、また骨髄幹細胞と変わらない多分化能を示すことから、再生医療に有利な幹細胞であることが示されている。移植した後の幹細胞が、①生体内で組織形成後も一部は幹細胞として存在するのか否か、②もし存在するのであれば、形成組織中から幹細胞を選択的に分取して培養系に戻し、イン・ビトロ解析によって幹細胞特性を維持しているか否かを明らかにする。

【試験方法】 抜去歯から採取した歯髄、歯根膜、歯小嚢、歯乳頭の各組織を3 mg/mL collagenase/4 mg/mL despise混合溶液にて37℃、1時間温浴処理を行い、細胞を解離した。その後70μmフィルターにて細胞を単離し、1×104個/10-cm dishに播種した。培地は、15%FBS含有DMEM/F12培地を用いた。継代培養を行い継代数3で、1×106個の各種幹細胞、コラーゲンゲル(新田ゼラチン)、ハイドロキシアパタイト(Zimmer社) 40mgを混和した後、6週齢免疫不全マウス(CB17. ICR Scid-mouse)の皮下に移植を行った。 移植16週後に形成された硬組織を摘出しcollagenase/dispase混合溶液にて37℃、1時間インキュベートし細胞を解離した。その後70μmセルストレーナーにて細胞を単離し、ヒト特異的CD44抗体を添加した。遠心後に上清を除去し、On-chip sample bufferで懸濁、標準シース液を用いCD44陽性細胞を分離した。分離したヒトCD44陽性細胞は35-mm dishに移し、解析に要する細胞数に達するまで培養維持した。
【結果】 移植前とOn-chip Sortで分取した後の細胞の表面抗原の解析結果をFig.2とFig.4に示した。表面抗原の発現は同様な結果を示した。

抜去歯幹細胞 幹細胞表面抗原解析

Fig.5 On-chip Sortで分取した細胞の分化能を骨分化と脂肪細胞への分化で評価した結果、少数細胞のマニュピレーションにおいても細胞に障害を与えることなく、細胞増殖や幹細胞特性にも全く影響がみられなかった。

分化能評価
3週間の骨、脂肪誘導ですべての細胞腫でアリザリンレッドS染色(Alizarin Red S)で陽性反応が認められた。ソーティングにより分離、増殖した各種幹細胞は幹細胞の特徴である多分化能をしめした。