On-chip Sortを用いたクラミドモナス(Chlamydomonas sp)の検出・ソーティング

【概要】クラミドモナス(Chlamydomonas sp)は単細胞の緑藻で、実験生物としても遺伝子導入などの手法が確立され鞭毛運動・光合成・有性生殖などの研究で使用される生物である。クラミドモナスは培養環境の変化により細胞内にオイルを産生することから、近年バイオ燃料として利用することにも注目されている。クラミドモナスの研究を加速させるためにも様々な特性を持った個体の株化が必要となっており、フローサイトメーターによる検出やソーティングは有効な手段の一つと予想される。

【目的】 弊社のセルソーター”On-chip Sort”を用いてクラミドモナスの核染色、オイル量比較が可能か検討を行った。次に、クラミドモナスを無染色でソーティングできるかを検討した。

【試験方法】Chlamydomonas sp. strain A および Bを試料とした。核染色はVybrant® DyeCycle™ Green 、オイル(油滴)はNile Red溶液(33ug/mL EtOH)を試料に対して20%容量添加し、染色した染色した。37℃で30分間室温でインキュベート後、On-chip Sortで解析した。
 
【結果】Chlamydomonas sp. strain A および B をVybrant® DyeCycle™ Greenによって核染色し比較した。サイズの大きい細胞は小さいものよりDNA量が多い傾向にあった(Fig.1A)。サイズの大きな細胞は、分裂のためのDNA複製が始まっている可能性がある。またクラミドモナスが含有するオイル量の違いを評価するためにおこなったNile Redを用いた解析では、Strain AよりBのほうが蛍光強度が高く多くのオイルを保持していることがわかった(Fig.1B)。葉緑体量(多いものは緑、少ないものは赤)による違いは認められなかった。

クラミドモナス1 webアプリ
Fig.1 Chlamydomonas sp. strain A および Bの染色比較。(A)はVybrant® DyeCycle™ Greenで核染色した。(B)はNile Redで染色した。緑のドットは葉緑体の自家蛍光の高いポピュレーションを示したもの。

Chlamydomonas sp. strain A をソーティングするために無染色でFSC(細胞の大きさを反映)とFL5(葉緑体の自家蛍光)で展開したところ、3種類のポピュレーションが確認できた。もっともFSCが小さく、葉緑体の自家蛍光は大きな傾向にあるポピュレーションをソーティングした(Fig.2)。クラミドモナスは無染色の細胞でも葉緑体の自家蛍光や細胞サイズでポピュレーションの区別をつけることが出来た。様々な状態の細胞から、生きたまま目的の細胞を単離するために、On-chip Sortは有効であることがわかった。

クラミドモナス2 webアプリ
Fig.2 クラミドモナスをFSCと葉緑体の自家蛍光(FL5)で検出し、ソーティングした。