On-chip Sortを用いた大型細胞塊(100μmサイズのスフェロイド)ソーティング

概要
On-chip Sortは、これまでのセルソーターとは異なる特徴を特化させようとしている。元々ダメージフリーを謳い文句にしてきたOn-chip Sortであったが150μm幅の専用マイクロ流路チップを使用することで直径100μmサイズのスフェロイドの形状を変えることなくソーティングすることに成功した。我々は更にほぼ同一サイズのスフェロイドをソーティングすることにも成功している。

方法 
スフェロイドの培養  今回HT29(ヒト結腸腺癌)細胞株をSCIVAXライフサイエンス株式会社の3次元培養技術NanoCulture Plate(NCP-LH96)を用いて5日間培養した。

ソーティング  On-chip Sortを用いて、大きさに基づく(FSCとSSC)情報を元にソーティングを実施した。シース液には培養液を使用し目的細胞をソーティングした。ソーティングチップは150μm流路幅チップ(On-chip biotechnologies Co., Ltd.)を用いた。On-chip Sortを用いたソーティングにより100μmクラスのスフェロイドをそのままの形状で回収する
 
 5日間培養し最大約100μmサイズの細胞塊(スフェロイド)を作製した(図1b) 。しかし、単に培養しただけでは目的と異なるサイズのスフェロイドも多く含まれる(図1a,b)。そのため、On-chip Sortを用いて100μmサイズ付近のスフェロイドのみ回収することを試みた。FSCの強度は細胞サイズと正比例する。そこで今回顕微鏡で確認した最大サイズ(=ほぼ100μmであろう)集団をソーティングした。その結果、ほぼ100μm前後の同サイズのスフェロイドが回収できることがわかった(図1c)。現150μm流路幅のチップでは100μmサイズのソーティングが限界かと思われる。しかし前回45μmを回収し100μmまで再培養することで均一100μmサイズの培養にも成功している。本方法を用いることで今回100μmサイズをソーティング後に再培養することで200~300μmの均一スフェロイドをも作製できる可能性が高いことが示唆された。
100μmサイズソーティング webアプリ

Fig.1 培養後のスフェロイドサイズ不均一性とOn-chip Sortにおけるソーティング後の均一性 (a)ソーティング前のスフェロイドの写真。(b)培養したHT29細胞株をOn-chip SortのFSC(H)とSSC(H)の2Dプロットで解析し、最大サイズと思われる100μmサイズ付近(矢印の赤の部分)をソーティングした。 (c-1, 2)On-chip Sortによるソーティング直後のスフェロイドの写真。