On-chip Sortを用いた細胞増殖に及ぼす影響の軽減

【概要】HeLa細胞は、ヒト子宮頸がん由来の最も有名な細胞株である。この細胞株は優れた増殖能力を持ち、他の癌細胞と比較しても異常なほどの増殖能力を有する。これら増殖能力の強い細胞はダメージの影響をあまり受けないとされ容易にソーティングされてきた。我々は弊社のセルソーター”On-chip Sort”で敢えてHeLa細胞をソーティングし細胞増殖に及ぼす影響を解析した。HeLa細胞において細胞増殖に差が出るのならダメージに弱いとされる神経細胞や外的刺激を入れたくないiPS細胞などでも他社セルソーターよりマイルドにソーティングできることは明確である。

【目的】このような増殖能力の強い細胞をOn-chip Sortと他社セルソーターで比較した時、どのような違いが認められるか解析した。

【試験方法】100個のHeLa細胞をOn-chip Sort及び他社セルソーターでソーティングし、96穴マイクロプレートで培養した。その後、1,2,3,5,8日に生着・増殖した細胞数をカウントした。

【結果】弊社セルソーター”On-chip Sort”と他社セルソーターでソーティングし培養した結果、HeLa細胞はそれぞれ異なる増殖曲線を示した。(Fig.1-①) On-chip SortでソーティングしたHeLa細胞は、2~3日で増殖を開始したのに対し、他社セルソーターでソーティングしたHeLa細胞は5~8日で増殖を始めた。この差は2~5日間であり、明らかにOn-chip Sortのほうが増殖ポイントが早いことがわかる。れら平均を取ったグラフでは、培養後3日の時点で2倍の差があることが判った。(Fig.1-②) またFig.1-③は、ソーティング後3日目のHeLa細胞の写真である。On-chip SortではHeLa特有の細長い形状を有しているのに対して、他社セルソーターではまだ丸い細胞が目立つ。

これら結果から他社セルソーターはHeLa細胞のような増殖能力の強い細胞株であっても細胞増殖に影響を与えていることが判った。これが増殖能力が低い細胞、ダメージに弱い細胞、iPS細胞のような外的刺激を入れたくない細胞の場合、増殖せずに死んでしまうことや刺激を誘導してしまうことは容易に想像ができる。当社セルソーターOn-chip Sortは細胞増殖に及ぼす影響を最小限にして弱い細胞をそのまま維持・増殖させるために必要なツールだと考える。

Fig.1 On-chip Sort(赤)と他社セルソーター(青)におけるHeLa細胞の増殖曲線の比較。それぞれのウェルの増殖曲線(1)と平均の増殖曲線(2)。ソーティング後3日目の写真(3)。左がOn-chip Sortでソーティングしたもの。右が他社セルソーターでソーティングしたもの

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